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子供の目について

生まれたばかりの赤ちゃんの目は構造的にもまだ完成されておらず、成人の目に近くなるのは8歳ころです。
視力については通常の視力検査が可能な3歳にはほぼ1.0に達しており、比率としては4歳で70%、6歳で90%で1.0が確認されます。
何らかの問題できれいな像が網膜に映されないと、視力の発達の障害が起こります。

生まれたときからの目やには先天性の感染症のほかに鼻涙管といって、眼と鼻をつなぐ管が詰まっている場合がありますので、漫然と目薬で様子を見ないで、眼科での検査を受けられることをお勧めします。

ほかにはまぶたが内側に向いているためにまつ毛が眼に当たってしまう内反症というものもあり、目やに、まばたき、角膜の傷、などが起こります。
この症状は年齢とともに軽快することが多いのですが、角膜の中央に強い傷ができると視力の発達に影響を与える場合があり、手術治療が必要になることもあります。

学童になり、黒板が見えないという症状がある場合、近視の場合が多いのですが、治療の可能な仮性近視、不可能な軸性(真性)近視があります。
仮性近視は毛様体筋というレンズの厚さを調節する筋肉の緊張で起こりますので、緊張をとる各種の薬、眼の使い方の訓練で改善できる場合があります。
一方真性近視の場合は眼の大きさで決まりますので、通常直すことはできません。大人になってからの近視矯正手術も眼の大きさを直すものではなく、角膜(黒目)の一部を削って、近視を弱くするものです。

一方、遠視というものがあります。
近視は網膜の前にきれいな像ができて、近くに焦点が合いやすいのですが、遠視は逆に網膜の後ろにきれいな像ができる状態です。
子供ではとくにこの異常を補正する力(調節力)が強いため、支障なく見えている場合が多いのですが、正常の子供に比べると目の疲れ、根気のなさ、といった症状や、内斜視といった眼の位置異常を引き起こすことがあるため、早めに発見することがのぞましいものです。

通常我々眼科医は視力の良し悪しを矯正視力という、レンズを入れて出せる最高の視力の値で判断します。
なぜなら、眼鏡なしの視力(裸眼視力)は近眼の人では悪く、この場合は眼鏡をかければいいので問題はありません。
眼鏡をかけても視力が出ない場合こそ、眼球のどこかに重い病気が隠れている場合が多いのです。
子供の場合、視力は発達過程にありますが、遠視や乱視、あるいは目に光の入りにくい状態などがあると、特別な病気がなくても矯正視力が出なくなることがあります。
これを弱視といい、訓練で視力を良くすることが可能です。
この訓練は早く始める方が効果が高いので、お子さんの目が見にくそうであれば、早めの眼科受診、検査をお勧めします。

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